経理のがっこう

ブログ「経理のがっこう」は、管理人のこれまでの実務経験から学び、感じた、会計をはじめとしたビジネススキルやビジネスマインドを中心に、1テーマ1話の形式で発信していきます。

「知識重視=優秀な経理パーソン」ではない

しばしば経理部門は専門的であると言われます。
これは経理の主な業務が、簿記や会計、税法などの知識を必要とする内容であることが
大きな理由のひとつかと思われます。
 
これらの分野を勉強して知識の習得に励むことは良いと思いますが、
気をつけなければならないポイントがあります。
 
それは、知識偏重主義に陥らない、ということです。
 
税理士や会計士としてやっていくのであれば、試験のために条文を暗記したり、
年々変わる法改正をつぶさに調べていくといった作業も必要でしょうが、
経理パーソンのプロとしてやっていくのであれば、
そこに時間や労力をかけ過ぎてしまうことは、むしろナンセンスです。
 
ほとんどの会社では、税務申告のために、
税理士と顧問契約しているのではないでしょうか。
もし、会計基準や税法についてわからないことや疑問が生じたのであれば、
遠慮なく顧問税理士に直接尋ねればいいだけの話です。餅は餅屋です。
会計や税法を業務で扱うからといって、
何も経理がすべてに精通していなければならない、
ということは全くありません。
 
それよりも、経理パーソンとして重要視しなければならないことはたくさんあります。
例えば、事業計画に合わせてB/S、P/L、
キャッシュフローにどのような変化が予想されるか、
それらの数字をより良くするために各部門でどのような取り組みをすべきか、
各部門および会社全体の利益向上のために
経理としてどのようなアプローチができるか、など…
 
これらのことは、顧問税理士がやってくれるということはほとんどありません。
顧問税理士は、あくまで外部の専門家です。
会社内部の会計的、数値的専門家は、
まず第一に経理パーソンが担わなくてはなりません。
会社内部の専門家として、コミュニケーション能力の向上に努めるということが、
税理士や会計士並みの知識を習得するということよりも何倍も貢献度が高く、
重要視すべき内容なのです。