経理のがっこう

ブログ「経理のがっこう」は、管理人のこれまでの実務経験から学び、感じた、会計をはじめとしたビジネススキルやビジネスマインドを中心に、1テーマ1話の形式で発信していきます。

経理のお仕事を考える

経理のお仕事は財務諸表を作ること、
と考えている人が意外なほど多いように感じます。
 
財務諸表を作ることは経理の仕事のひとつではありますが、
それが主要な仕事と考えているのであれば、残念なことです。
経理には、財務諸表を作る以外にも、
もっと重要で、もっとおもしろい仕事があるからです。
 
その仕事とは、ズバリ「管理会計」です。
 
経理に限ったことではありませんが、企業の一員としての価値は、
自分の仕事を通じてどれだけその企業に貢献することができたか、だと思っています。
この観点で考えると、財務諸表の作成という仕事は、
残念ながら、企業に対する貢献度はほとんどないと言わざるを得ないでしょう。
 
たしかに財務諸表の作成は経理にしかできない仕事ですし、
必ず作成しなければならないものですので、
大切な仕事のひとつであることは間違いありません。
また、決算期は仕事量も膨大で大変なので、
やり遂げた達成感や充実感も得られると思います。
でもそれは、経理として当たり前の作業をしただけの話。
例えていうならば、総務がミスなく給与計算を行うようなことと同じで、
出来て当たり前の仕事なのです。
厳しい言い方になってしまいますが、その意味では、
何ら新しい価値を産み出していないということも言えるでしょう。
 
もちろん、経理としての本当の貢献である管理会計を行うためには、
前提として財務諸表などの会計資料が必要になります。
その意味で、財務諸表の作成という仕事も意義があることに違いありません。
ですが、それが経理の主要な仕事となっているならば、
考え方を改める必要がありかもしれません。
 
金子昭先生は、ご著書「経理・財務」のなかで、
財務会計2割、管理会計8割」という表現がなされていますが、
ほとんどの企業ではその逆で「財務会計8割、管理会計2割」、
あるいはそれ以上に財務会計に時間を割いている経理が多いのではないでしょうか。
この考え方でいえば、経理は貢献度の高い仕事をほとんどしていないということです。
 
財務諸表を作る仕事は、経理全体の2割の仕事。
できるだけ効率的に終わらせて、貢献度の高い管理会計の仕事に時間を使う。
このように意識を変えることが、企業に貢献する経理に生まれ変わる
第一歩となるでしょう。